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pylori

ピロリ感染の診断・治療ガイドライン改訂

早期胃がん術後にピロリ除菌を

 早期胃がんは、内視鏡的治療によりお腹を切らずに治る時代だ。ただし、早期胃がんの場合、治療後に最高で約1割の患者に再度、新しい胃がんが発生することが知られている。日本ヘリコバクター学会は、今年1月に早期胃がんの内視鏡的治療後に、ピロリ菌除菌を強く勧める新たなガイドラインを発表した。このガイドラインを元に、早期胃がん術後の対策をまとめた。

 「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2009改訂版」は、今年1月7日に発表された。同ガイドラインでは、早期胃がんに対する内視鏡的治療後にピロリ菌を除菌することが推奨されている。これは、ピロリ菌を除菌することで、新しい胃がん(異時性胃がん)の発症リスクが下げることが証明されたことを受けたものだ。

 胃がん患者の場合、胃全体が荒れているため、治療後に残った胃組織から新しく胃がんが発生しやすい。この異時性胃がんとは、がん組織の取り残しから生じる再発とは全く異なるもの。これまでに、早期胃がんの内視鏡的切除術後には、3年間で4〜10%程度に、異時性胃がんが出現するというデータが出されている。

 昨年8月、ピロリ除菌により、異時性胃がんの発症リスクが下がることが示された。これは、ヘリコバクター学会理事長で、北海道大学第3内科教授の浅香正博氏を責任研究者とし、国内の51施設が参加して実施されたランダム化比較試験の結果だ。国際的な医学雑誌であるLancet誌に発表され、注目を集めた。

 試験では、早期胃がんで内視鏡的切除術を受けたピロリ陽性の544人を、ピロリ除菌群と除菌しないコントロール群に分けて追跡し、異時性胃がんの発生を調べた。除菌には、ランソプラゾール30mg、アモキシシリン750mg、クラリスロマイシン200mgの3剤を使用し、それぞれ1日2回、1週間投与した。検査は上部消化管内視鏡を用い、6カ月、12カ月、24カ月、36カ月に実施した。

 3年間の経過観察の結果、除菌群では9人の患者に異時性胃がんが発生したのに対し、コントロール群では24人に発生。追跡不能者を除いた解析で、異時性胃がんの発症リスクは約3分の1となり、除菌により有意に発がんリスクが下がることが示された。

 除菌により胃がんの発症リスクは下がるが、そのリスクはピロリ菌非感染者に比べると依然として高いのだ。そのため、今回改訂されたガイドラインにおいても、「除菌後の定期観察は必要」と明記されている。

胃がん後などの除菌に保険適用を要望中

 ガイドラインで除菌が推奨されたとはいえ、現在、保険診療として認められているのは、「胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるピロリ感染症」のみ。そのため学会は、ガイドラインの改訂と同時に、厚生労働省に対して保険の適用拡大を求める要望書を提出した。

 その要望書では、早期胃がん術後に加え、ピロリ除菌による治療効果が既に示されている胃MALTリンパ腫、突発性血小板減少症紫斑病も対象に含まれている。

保険が認められるまでの対策

 胃がんの内視鏡的治療後のピロリ除菌は保険診療として認められていない。しかし、胃潰瘍が観察されれば保険の枠内で除菌が受けられる。その一方で、経過観察中に胃潰瘍が認められなければ、ピロリ除菌は保険診療としては認められない。

 この矛盾は、ピロリ除菌の対象に早期胃がん術後が含まれるまでは続く。医療機関によっては、胃潰瘍・十二指腸潰瘍がなくても、これらの病名を付けて保険診療として除菌を行っているところがあるのも事実なのだ。

 同じ胃がん術後でも保険で除菌できる患者とそうでない患者に分かれる。また、除菌に必要な費用が医療機関によって異なるなどの混乱は今後もしばらく続きそうだ。
 
 ピロリ菌の除菌成功率は年々低下している。2000年初には8割近い成功率であったものが、年を追うごとに低下し、2007年には7割に満たないというデータも発表されている。

 除菌に用いる抗生物質クラリスロマイシンに耐性を持つピロリ菌の増加と、服薬指導の問題がある。

 除菌では、3剤(ランソプラゾール30mgもしくはオメプラゾール20mgもしくはラベプラゾール10mgとアモキシシリン750mg、クラリスロマイシン200mgもしくは400mg)を、それぞれ朝夕2回、1週間服用する必要がある。

 除菌時には朝夕の服薬を守り、下痢などの副作用発現時に勝手に薬を減らさず、医師に相談することが重要。また、自分の受けた処方が、ガイドラインに沿っているかも確認しておきたいものだ。

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