古くて新しい結核

肺結核に感染し4ヶ月経過した後、活動を休止・入院した某芸能人の報道が大きな反響をよんだことがあります。
 
結核は古くて新しい感染症です。
 
約1世紀ほど前までは、結核にかかると薬もなく、結核=死へと直結して考えられる病気でした。
 
しかし、医療の発達に伴い、今ではきちんとした治療を行えばほとんどが治る病気となっています。
 
結核の場合は、空気感染ということで、知らぬ間に感染しているというおそろしい感染症ですので、早期発見と治療、そして二次感染の防止が重要です。
 

感染経路

-感染源が咳・くしゃみとともに排出する飛沫(核)を吸い込むことによる空気感染
 
-感染源となるのは大半が「喀痰の塗沫検査で結核菌陽性」の肺(気管支)結核患者、ときに咽頭結核患者
 
-感染後1~2カ月でツベルクリン反応が陽転、その後3カ月以降一生涯に渡り約30%の既感染者に発病がみられる。
 
-発病する者の50%は感染後2年間に発病する。
 

伝播可能期間

-塗沫陽性期間
 

症状

-肺結核では咳、痰、発熱(軽度~中等度)で初発し、これがおおむね2週間以上遷延する。
 
-非特異的治療に抵抗して軽快・悪化を繰り返しつつ徐々に進行し、全身倦怠感、血痰、喀血、痩せ、そして呼吸困難などに進展する。
 
-胸膜炎では初期の胸痛が特徴。
 

対応

-早急に、内科(専門科)へ受診し、決して放置しない。
 

疫学

-日本人の15~20%が結核菌に既感染
 
-ただし年齢によって大きく違う。20歳代⇒1%、70歳代で60%など
 
-古くて新しい病気
 

こんなときは・・・

-2週間以上、咳・痰・発熱・倦怠感が続く
 
-定期健康診断等でレントゲン等で疑わしいと診断があったとき
早急に内科(専門医)へ受診し、決して放置しない。